展覧会情報

安原容子により解釈転換された旧約聖書中「創世記」の、アダムとエバは「堕罪」でない。
蛇の示唆を受け禁断の実を食べ「自由意思」でエデンを出る。作家は神無き世界の賛歌、
女性優位、原罪と無縁の人間存在を描く。作品「楽園にて」は男女共生の在り方や差別
までも想起させる。力強い人物造型と特異なフォルムの安原絵画は、独特のオーラを放つ。
絵画は安原容子の原像であり、現代作家として生きる矜持なのだ。安原容子の「創世記」
に瞠目必至である。

かしまかずお（美術評論家）

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